2014年。ただし元々のアルバムは2004年のもので、これはそれに2曲のボーナストラックがついたもの。ロリ・スカッコ。
ギター、ピアノ、エレピ、アップライト・ベースなどが、何もない空間を埋めていく。音そのものよりもその空間の存在感に驚く。アンビエント・ミュージックと片付けることもできようが、またそれとは違った強さを感じる。一見ばらばらに思える音の粒がそれぞれに立ち上がって、ひとつの建造物を構築している。それは木賊(トクサ)が群生しているようでもあり、ジャングルジムのようでもあり、さらにいえばひとつの街全体のようでもある。いつしか僕はその中に紛れ込み、その空間をさまよう。
不思議な魅力のあるアルバム。