『猫が屋根から降ってくる確率』竹内 薫

 じっぴコンパクト新書。副題『世の中の出来事は猫と科学で解明できる』。
 「ボク」と「K妻」と「R嬢」と「シュレ猫」によるサイエンスエッセイ。登場人物からしてふざけているし、語り口もかなりくだけているけれど、中身は意外と真面目。量子力学、宇宙、大地震、噴火、カメラ、イルカと鯨、ノーベル賞、男と女、夢の国……。科学にちょっとでも関係があればジャンルを問わず、世界を縦横無尽に飛び回る。科学書にしては珍しく、ときに政治的なことも出てくるけれど、著者がふだんから世の中の出来事にアンテナを張っている証拠なのだろう。内容は、あまり科学に詳しくなくても(シュレ猫の名前の由来にピンとこなくても)まったく問題なく読み進められるくらい、かみ砕いて書かれている。
 よく読むと深いところもあるけれど基本的に軽い読み物なので、バリバリの理系書だと思っていたり、猫が屋根から降ってくる確率を真面目に知りたい人には不向きかもしれない。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。