『直感を裏切る数学』神永 正博

 講談社ブルーバックス。副題『「思い込み」にだまされない数学的思考法』。
 国民の年収を500万円ごとに区切って昨年と今年の区分ごとの平均を比べると、どの区分でも平均所得が増えているのに、全体の平均所得は減ってしまうことがあるという不思議。胃X線検査において、実際に癌の人が要精密検査とされる率が約90%だとされるとき、あなたが要精密検査と言われたら一体どれだけの率で癌なのかを計算してみると出てくる予想を覆す驚きの結果。そんな、直感だけで答えを出そうとするとつい間違ってしまいそうな数学のトピックスを20個集めて、解説している。
 教室の中で誕生日が一緒の人がいる確率が意外と高いという例など、わりと知られているものもあるけれど、数学好きの人でないと知らないようなマニアックなものもある。数式も少しは出てくるし、簡単な計算をしなければならないところもあるけれど、平易な文章でかみ砕いて説明してくれているので、決して難しくはない。直感を裏切る数々の結果に驚かされながら、楽しく読み進めることができる。数学にちょっとでも興味があれば、この本は読者を裏切らない。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。