2015年。ジャスティン・キング。2011年に行われた日本公演を収録したライヴ・アルバム。『With You』のみライヴ録音ではなく、ジャスティンが組んでいる「King Radio」による演奏で、ヴォーカルも入っている。この曲以外はすべてソロギター。ギター2本で弾いているように聞こえる曲もあるが、ルーパーを使って1人二重奏を行っている。
ピエール・ベンスーザンを思わせる叙情的な曲や、民族音楽っぽいもの、タッピングを駆使した技巧的なものなどいろいろなタイプの曲が揃っていて、観客を飽きさせない。曲も演奏もとてもいいと思う。ただ、ラインくささというか潰した感じというかそんな感じの音になっているのが残念だ。音質やダイナミックさでいえば、やっぱりスタジオレコーディングの『Le Bleu』、『丘からの眺め: From the Hill』
の方が好きだ。このアルバムはライヴ感を楽しむためのアルバムなのだと思う。割り切ってしまえば聴いていて楽しい。ボーナストラックの『With You』が、やわらかにこのアルバムを締めくくってくれる。