『論理が伝わる世界標準の「議論の技術」』倉島 保美

 講談社ブルーバックス。副題『 Win-Winへと導く5つの技法』。
 日本人は議論が下手だといわれるけれど、それは単に議論の技術を知らないからだ。そして、議論の目的は勝ち負けなのではなく、議論を深めて双方が納得できるようなWin-Winの関係へと持ち込むことなのだと著者はいう。本書では、実際の議論の様子を例示して、どこがまずい議論なのか、どうすれば良い議論になるのかということを、丁寧に解説している。
 議論にはルールがあるのだという。そんなルールに則った議論をしているケースは、私のまわりにはほとんどないな、と思ってしまったが、著者はその辺もよくわかっていて、ルールから相手が逸脱したらどうやって軌道修正していけばいいのかについても詳しく書いている。確かに本書に書いてあるように議論を深めていけば、よりよい結果を生むのだろうと思う。
 この本は、やさしい言葉で丁寧に議論の技術について書いてあるが、内容的には難しい。多くの練習問題も掲載されているが、ふつうに読むとよくある打ち合わせの一場面にしか見えないので、 どこで議論がおかしくなっているのかだとか、どこが論理的でないのかとかを指摘するのは結構やっかいだった。それは私が議論の技術を持っていなかったという証左なのだろう。しかしこの本を読むことで、議論するときに何に注意しておけばよいのかはわかった。今後はそのポイントを忘れないようにして、打ち合わせに参加したい。
 余談だが、副題にある5つの技法とはおそらく、伝達、傾聴、質問、検証、準備それぞれの技術のことを指すのだと思うが、本の中で項目出しされていないので、頭に残りづらかった。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。