『理系ジェネラリストへの手引き』岡村定矩ら

 日本評論社。副題『いま必要とされる知とリテラシー』。岡村定矩、三浦孝夫、玉井哲雄、伊藤隆一 編。
 学生のほか一般社会人を含む読者を想定して書かれているが、「実験レポートの書き方」という章があることからもわかるように、学生向けの記事も多い。自然科学だけでなく、社会科学、人文科学をも対象としているので、理系にこだわらない「ジェネラリスト」への手引きと考えてよいだろう。ハンドブック的なものを企図して書かれている。
 有効数字やデータ収集法などのデータに関すること、モデリングに関すること、言語に関すること、社会調査に関すること、コンピュータや情報に関すること、実験レポートやプレゼンテーションに関すること、データ解析に関することについて、取り上げている。 言語に関することなど読み物系の章もある一方、データ解析に関することなど数式のオンパレードでついていくのに時間がかかる章もある。もちろん本書が理系ジェネラリストに必要な事柄を網羅しているわけはなく、著者らが大事だと思っていることを取り上げているのだろう。それはデータの取り扱いだったり統計解析に対する理解だったりするわけだ。
 そんなに深いところまで書いてあるわけでもなく、個々の事例に関するマニュアルでもないので、この本を読んだからといってすぐに何かができるという類いの本ではないのだが、基本的なところはきちっと押さえてあるので、例えばカイ二乗分布ってどんな分布で何に使うんだっけとちょっとした疑問が出てきたときには、この本を開けばきちんと書いてある。
 学生あるいは社会人として、これくらいは教養として理解しておいた方がいいんだろうなと思った。覚えている必要は必ずしもなく、気になるときに調べて理解できる程度でいいのだけれど。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。