『Tussie mussie II ~loves cinema~』押尾コータロー

 2015年。
 タイトルの「タッジー・マッジー」は、「小さな花束」の意味。押尾のカヴァーアルバムにはこのタイトルが使われている。本アルバムはその第2弾ということで、映画音楽をテーマにしている。『風の谷のナウシカ』などはたぶんウクレレを重ねているけれど、基本的にはソロギター・アルバムだ。ただ、以前から言われていることだけれど、彼のギターはとても1本で弾いているとは思えない。『Mission Impossible Theme』なんかはメロディとバッキングの音質まで異なって聞こえるし、本当に1本で弾いてるの?って感じがする。逆に、伴奏なしでメロディだけを奏でるだけの演奏がしばらく続く『The Godfather Medley』はもちろん1本で弾いてるのは明らかなんだけど、メロディだけでここまで音楽的に聴かせてしまうのかと、押尾の技量には恐れ入る。『Melody Fair』や『Ben』のようなかわいい曲もあるし、渋くて枯れた味わいのある『Shape Of My Heart』(「レオン」)や『Calling You』(「バグダッド・カフェ」)みたいな曲もある。『The Last Emperor』では地味ではあるけれどしっかりとしたいい演奏をじっくりと聴かせてくれる。そして、『Stand By Me』の力強いアレンジに対し、ギターの音をとことんきれいに聴かせている『The Never Ending Story』や『Smile』(「モダン・タイムズ」)があるなど、実にバラエティに富んだ選曲と演奏に彩られている。まさにいろいろな花をひとつにまとめて作品にした小さな花束である。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。