『作詞の勉強本』島崎 貴光

 リットーミュージック。副題『「目線」と「発想」の拡大が共感を生む物語を描き出す鍵となる』。
 本の内容は副題が見事に適切に説明してくれているのだが、作詞で重要なのは「共感を生む」ことであり、そのために「目線」と「発想」をどうやって拡大すればいいのか、重点的に解説している。
 例えば「目覚め」ひとつを取っても、誰からの視点で見るか、状況はどうなのかというのは様々に考えられるし、「リンゴ」にしてもいろんな方向に連想することができる。ふだん何気なく生活しているとすべてが今起こっているようにしか見えなかったりするけれど、目線の取り方を変えたり、いつもとは違う発想をしてみると、どんどん世界が広がってくる。この本を読むと、そうやって世界をいろいろな角度から見ることができるようになる。そのための訓練が自然とできる。
 これは作詞の本だけれど、ここに書かれていることは絵を描いたり絵本のストーリーを考えたりするのにも応用できると思った。私は発想力や創造性が非常に乏しいのだが、この本を読むことでそれらを伸ばすためのヒントをもらったような気がした。
 なお、本書は「目線」と「発想」の拡大を重点に置いているので、曲に詞を当てはめるためのコツだとか、作詞自体のテクニックとかそういうものにはあまり触れていない。そういうことを知りたければ他書にあたる方がいいと思うが、本書を読んで得られるものの方が大きいと思う。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。