『暗記しないで化学入門』平山 令明

 講談社ブルーバックス。副題『電子を見れば化学はわかる』。
 電子の動きに注目し、化学結合や化学反応を理解できるように解説している。共有結合についての説明が詳しいが、配位結合、イオン結合、金属結合についても触れ、原子間に働く力として、静電相互作用、ファン・デア・ワールス力、水素結合、疎水相互作用などについても解説している。この辺あたりまでは随分と取っつきやすい。
 しかしこのあと化学反応の説明に入ると、とたんに難しくなる。ラジカル反応を皮切りに、アルコールやベンゼン環などの有機化学反応について、電子の動きを使った説明を試みる。最後にはDNAや酵素についても触れている。確かにこれらのことを理解していれば、必要以上の「暗記」はしなくてもいいのかもしれない。でもこれを理解するのはかなりハードルが高いと感じた。裏表紙には「わからない高校生、必読の入門書。化学嫌いなあなたの、化学の見方が変わります。」と書いているが、化学嫌いの人はこの本を読んでもよくわからないと思う。化学がある程度好きで、丁寧に本書の内容をなぞっていく力のある人なら、さらに深い知識を得ることができるだろうが。私は学生の頃化学は好きだったが、この本の終わり近くをめくっていると、読むのが何だかいやになってきてしまった。ある程度の基礎知識を求められる本。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。