フィルムアート社。
理論と理屈で絵を描くことを指南している本。線画をデッサンのことだと勘違いしてこの本を買ってしまったのだけれど、線画とはマンガやアニメで使われる線で描く絵のことである。絵画とは違うということだ。
線そのものの扱い方や立体表現、人物などのキャラクターの描き方、消失点やパースの話、カメラのレンズによる空間デザインの違い、アニメーションにおける動きやレイアウトなど、ひととおりのことに触れている。ラフスケッチ的な図版も多く掲載されていて、著者のいう理論はわかりやすい。個人的にマンガ的な表現はとても苦手だったので、基礎的な考え方を学べてよかった。雑な下書きもちゃんと載っていて、プロも意外と泥臭い作業をした上で完成品を仕上げていることがわかり、雑なことが返って私にとっては参考になった。湾曲パースや魚眼レンズパースなどのパースの理論がおもしろくてわかりやすかった。
ただ、アマゾンでの評価はかなり低いものも多いです。評価コメントの指摘はもっともなことですが、それを差し引いても私にはとても役に立ちました。初心者向けなのかも。