『離散数学「数え上げ理論」』野﨑 昭弘

 講談社ブルーバックス。副題『「おみやげの配り方」から「Nクイーン問題」まで』。
 離散数学はとびとびの対象を扱う数学で、数え上げ理論、整数論、組み合わせ論などからなるものらしい(実は私はよくわかっていない)。この本はそのうちの数え上げ理論について書かれた本である。中学高校で習った、場合の数、順列、組み合わせなどから、フィボナッチ数、カタラン数などをとおり、包除原理、差分方程式、母関数の理論などまで解説している。具体的には、副題にもあるおみやげの配り方、Nクイーン問題や、地点AからBまで行くときの経路の数、多角形を3角形にわける分け方、プレゼント交換で誰も自分のプレゼントに当たらない確率、賭け事の話など多岐にわたる。それらについて、ひたすら数え上げていく本だ。
 内容はこれ以上かみ砕いて説明するのは無理なんじゃないかと思うくらい、丁寧にひとつひとつの手順を略さずに解説している。数式は結構たくさんでてくるけれど、粘り強くよく考えて食らいついていけばわかるようには書いてある(それでも極度の数式アレルギーの人は読み通すのがいやになるかもしれないが、そもそもそんな人はこんな題名の本は手に取らないと思う)。最後の方はちょっと難しくなってくるけれど、最初の方は高校の確率統計でつまずいた人にもお薦めなくらいわかりやすい説明だ。エレガントな解き方のほかにエレファントな(力づくの)解き方も載っているのがおもしろかった。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。