『超常現象をなぜ信じるのか』菊池 聡

 講談社ブルーバックス。副題『思い込みを生む「体験」のあやうさ』。
 UFO、予知夢、占星術、超能力など、まだ科学では解明されていない超常現象の数々を、人はどうして信じてしまうのだろう。
 だって私見たもの、星占いだって当たってるし。
 そうなのだ。確かに体験している人はいるのだ。経験則からいけば確かにそれらの超常現象は存在する。でもその体験なり経験は本当の事実を反映しているんだろうか。見間違いでは?勘違いでは?ただの偶然では?そんな切り口で、実は超常現象でも何でもないものを超常現象と見なしてしまいやすい人間の習性や心の働きがあるということを、多くの例をあげながら解き明かしていく。そんな認知心理学の入門書だ。
 著者は決して超常現象を否定しているわけではない。まだ科学がそれを説明できるほど進んでいないだけだと著者は考えている。ただ、超常現象と考えられている現象の中には、今の科学や心理学で否定できる現象もあるので、それはきちんとはっきりさせておきましょう、というスタンスでこの本は書かれている。
 体験したのだから超常現象は存在する、と考えてしまうのはちょっと待った方がいい。人の思考システムのクセを知り、正しい認識を得るにはどうしたらいいのかについて、いくつかの示唆を与えてくれる。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。