『美術を書く』シルヴァン・バーネット

 東京美術。Sylvan Barnet。日本語監訳、竹内順一。
 美術論文や展覧会評など、美術について何かしらを語るための文章の書き方が載っている。基本的には学生向けに書かれたものだと思われるが、学芸員や美術ブロガーなどが読んでも役に立つような情報が掲載されている。情報をどこから得ればよいのかといったことから、作品を観るときの着眼点や、論文の構成、体裁や引用・文献リストの書き方まで、かなり細かいことまで書かれている。
 作品を観るときの着眼点や文章構成などについては、なるほどと思うことが多かった。美術を分析するということはどういうことかについて書かれている内容もおもしろかった。また、本書における文章の書き方全般についての記述は、別に美術に特化したことではなく、どんな内容の文章を書く上でも役に立つものだと思った。ただし、英語という言語特有の問題点について触れている箇所も結構あって、それらは興味深くはあったけれど、実際に日本語で文章を書いている人にはあまり関係のない内容だった。とはいえ、全体的にかなりしっかりとした美術についての文章読本だと思う。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。