『完全独習 ベイズ統計学入門』小島 寛之

 ダイヤモンド社。
 先端ビジネスや医療にも使われているベイズ統計学。ただ、ちょっと取っつきにくい。そこをできるだけわかりやすく、ややこしい数式をほとんど使わず、面積図の四則計算を主に使うことで解説している。この面積図というアイデアはよく考えられていて、条件付き確率などを直観的に理解するのにとても役に立つ。ベイズの公式を見るだけではよくわからなかった根っこの部分が、これを使うことで入門者にも理解できるようになっている。「超入門」だと筆者が述べているだけのことはある。
 この本のいいところは、ベイズの公式の理解だけでとどまっていないところだ。迷惑メールが自動的に振り分けられる仕組みがわかりやすく載っていたり、ベータ分布や正規分布についても基礎の部分が触れられていたりする。ベイズ統計学について、表面的なものじゃなくて、根本的な理解ができるようになる。章ごとの練習問題も、飛躍していなくて、入門者でも十分についていける。そして、もっと本格的にベイズ統計学に取り組もうと思ったら、巻末にある参考書にあたればいい。
 これまでベイズ統計学についてある程度学んだ人にとっては物足りないかもしれないが、最初に手にする参考書としてはとてもよくできていると思う。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。