『ポーラ美術館コレクション』北海道立近代美術館

 2016年7月2日~8月28日。副題『モネからピカソ、シャガールへ』。
 箱根にあるポーラ美術館所蔵絵画の展覧会。印象派から後期印象派を経て象徴主義、フォービズム、キュビズムなどの作品を展示している。まあ、シャガールらはこれらの範疇に収まらない画家ではあるけれど。
 まず、モネとピカソは別格な気がした。モネの作品についていえば、近くから見ると荒いタッチが目立つ混沌としたキャンバス面なのに、少し離れて見ると立体的にその場に光景が浮かび上がってくるかのような臨場感が感じられる。それは色彩の組み合わせや微妙なタッチの違いの所産である。ピカソの絵はもうただただ天才だとしか言いようがない。ひとりの人間の中にこれだけたくさんの引き出しが入っているとは(しかも完成度が高い)ため息しか出てこない。
 この展覧会では31人の画家の絵が展示されているが、その中でも目を引いた作品を紹介したい。ブーダンの『ダウラスの海岸と船』は、さすが風景画で有名な画家だけのことはあり、いい。ルノワールは人物が有名かもしれないが、『エッソワの風景、早朝』のやわらかい光の扱いが気に入った。ピサロの風景画は2作品展示されていたが、やはり私は彼の絵が好きなんだな、とあらためて感じさせられた。セザンヌの『4人の水浴の女たち』は構図の妙にうならされた。ゴーガンの『小屋の前の犬、タヒチ』では、オレンジ色の屋根と背景の緑の対比が印象的だった。ルドンはアクセントで入っている鮮やかな色彩にハッとさせられた。ヴラマンクの『画家の父の家』は黒によって引き締まった画面構成に目がとまった。シャガールの『オペラ座の人々』はいかにも彼らしい色遣いと伸びやかな筆の運びに引き込まれた。あと、私の知らない画家も数名いて、その中ではアンリ・ジャン・ギヨーム・マルタンの作品群がとても気に入った。色がとてもきれいで、形態もしっかりしている。ほかにオーギュスト・エルバンの『陽のあたる街』の単純化された光と影の対比が、高彩度の色と相俟って印象に残った。
 上で挙げたもの以外にも、ゴッホやムンクなど素敵な作品がたくさんある。作品数は71点とそれほど多いわけではないけれど、なかなかに楽しい展覧会だった。

北海道立近代美術館』札幌市中央区北1条西17丁目

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。