『フランス絵画史』高階 秀爾

 講談社学術文庫。副題『ルネッサンスから世紀末まで』。
 16世紀から19世紀末までのフランスの絵画史を概観している。フォンテーヌブロー派からバロック、古典主義、ロココ、新古典主義、ロマン主義、写実主義、印象派、後期印象派、象徴派、ナビ派に至るまでのほぼ400年間にわたるフランスに息づいた絵画の歴史。そこに登場する多くの画家たちとおびただしい量の作品群を取り出し、彼らを取り巻く政治状況なども織り込みながら、歴史を読み解いていく。
 正直、圧倒される。印象派の頃など数年で刻々と状況が変化していくことを考えると、400年はものすごく長い。そして私の知識の偏りもよくわかった。ここに出てくる古典主義以前の画家たちのことはほとんど知らなかった。だからこそ彼らの作品も観てみたいと思うのだけれど、この本の残念なところは図版がとても少ない印象を受けてしまうということだ。掲載されている図版は59点と結構多いのだけれど、それ以上に画家や作品の数がとても多いので、総体的に図版の数が少なく感じてしまう。出てくる画家がどんな絵を描いているのかは、この本以外の資料に当たらなければならない。その点に目をつぶれば、この本はよくまとまっていると思う。印象派以降の比較的自分のよく知っている画家たちについては、もう少し突っ込んだ話をしてもいいのではないかとも思ったが、本全体の構成を考えると、わりとバランスが取れているのかもしれない。この本を足がかりにして、これからも美術鑑賞を愉しんでいきたい。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。