『「学力」の経済学』中室 牧子

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 ディスカヴァー・トゥエンティワン。
 日本で行われている教育に関する議論は、科学的根拠に基づいていないものが多いのだという。教育評論家や子育ての専門家のテレビにおける発言や、中央省庁で行われている教育行政についての議論などもそれに当たる。著者はこれに対し、データに基づく科学的な議論が必要だとしている。この本は、教育経済学という立場から見た教育についての本である。
 例えば世間では、「子供に勉強させるためにご褒美で釣ってはいけない」、「ほめ育てはした方がいい」、「ゲームをすると暴力的になる」などということが信じられているが、データが示すのは、「ご褒美で釣ってもよい」、「ほめ育てはしてはいけない」、「ゲームをしても暴力的にはならない」というものだという。これらの結論は全体的な傾向を示すもので、データにもばらつきはあるので、個別の事例に当てはめるには注意が必要かもしれないが、平均的かつ全体的な議論が必要な政策を決める上では、とても重要な視点なのだと思う。
 教育には、主観や個人的経験だけでなく、客観的視点が必要なのだと強く感じた。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。