『会いたかった画家』安野 光雅

 山川出版社。
 本人も画家である著者が会いたかった画家。クレー、ロートレック、モディリアーニなどのよく知っている画家から、小村雪岱、張択瑞、ピロスマニのようなほとんど馴染みのなかった画家まで、二十数名について書いている。画家その人について、画家の描く絵について、それが生まれた時代背景について、淡々とテレビのナレーションが流れていくかのように、著者の声が頭の中を通っていく。ただ単に事実を並べているようでいてそうではなく、著者の思いがこちら側に伝わってくる。画家をとおして、実は芸術のあり方みたいなものを伝えようとしているのではないかとも思える。著者の考える芸術は、いい意味で素朴な感じがする。そんな素直で純粋な素朴さになぜかほっとさせられる。この世の中はお高くとまっている芸術論があまりに多いから。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。