『印象派とその時代』三浦篤・中村誠監修

 美術出版社。副題「モネからセザンヌへ」。
 本書は、2002年に開催された展覧会「モネからセザンヌへ-印象派とその時代」(秋田県立近代美術館、埼玉県立近代美術館)の図録を、ほぼそのままの形で単行本化したものである。大型本で図版も多く見やすい。内容的には時代考証もしっかりしており、同時代の批評家や画家たちのテキストも多く掲載しており、読み甲斐がある。印象派が、フランス史の中の第二帝政からパリ・コミューン、第三共和政に至るまでの流れの中に位置づけられているという発想は今までなかった。美術史は社会史ともつながっているという当たり前のことを学んだ気がする。副題にある「モネからセザンヌへ」というのは、そのまま「印象派からポスト印象派へ」と言い換えてもいいのだと思われる。印象派がどのようにして生まれ、どのように変遷し、その後の印象派以外の美術活動へつながっていったのか、同時期のサロン派と呼ばれる画家たちも紹介しながら解説している。19世紀後半から20世紀前半にかけてのフランスの美術史を俯瞰する優れた一冊であると思う。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。