2009年。ニルス・フラーム。
ピアノ、チェレスタ、オルガンのシンプルな構成。元々は近しい人へのクリスマスプレゼントとしてつくられたものだという。
澄んだ音色で軽やかに奏でられるピアノの音が、都会の喧噪に疲れ切った私の心を癒やしてくれる。とはいえ、ピアノの音は軽やかなのに、印象は決して明るいものではない。静寂の中に、楽しさ、もの悲しさ、切なさみたいなものが重層的に積み重ねられている。その一端をになうのがチェレスタ、オルガンの音色であるのは疑いようもない。単なるライトミュージックとは形容しきれない、3つの楽器が織りなす冬の世界観に浸ってみたい。