2012年。
ちょっとこもったようなピアノの音。弱音ペダルを押しながら弾いているかのような。静かで、内省的な「あなた」から「わたし」へとつながる9曲のピアノ・ピース。「You」「Do」「Re」「Mi」「Fa」「Sol」「La」「Si」「Me」。
ニルス・フラームは、このとき左手の親指を怪我していたのだという。そのため残りの9本の指でこのアルバムを作った。そのときの精神状態がこの修行僧のような音楽を作り出したのだろうか。失恋の悲しみに寄り添ってくれているかのような、ちょっと切ないピアノ小曲集。