『微燻正山小種(2015)』遊茶

 びくんせいざんしょうしゅ。中国で一番古くからある紅茶だといわれている。後にヨーロッパ等で「ラプサン・スーチョン」と呼ばれるようになり、今ではこの片仮名の呼び方の方が通りがいいと思う。松の樹皮の燻香のついた独得の香りと風味が特徴だけれど、この香りは元々は偶然ついたものだという。
 ラプサン・スーチョンを初めて飲む人は、おそらく、なんだこのお茶、と感じることが多いことかと思う。それが飲んでいるうちに、その捉えがたい魅力にとりつかれてしまうことになるのだけれど、この『微燻正山小種』は、初めての人でもすぐにおいしく感じるのではないだろうか。やわらかでほのかな燻香は、他の紅茶メーカーから出ているラプサン・スーチョンとは違って刺激が少なく、穏やかに口の中を泳ぎ鼻をくすぐる。遊茶によると、このお茶のように昔ながらの製法でつくられている正山小種は数が少ないということらしいから、きつい香りはヨーロッパの人たちの好みに合わせたものなのかもしれない。もしくは「微燻」とわざわざ銘打っていることから、このお茶は元の正山小種よりもかなり抑えめに香りをつけているだけなのかもしれないが。
 香りを楽しめるだけでなく、味も甘さが際立っていて、とてもおいしい紅茶。

遊茶』東京都渋谷区神宮前 5-8-5

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。