『月刊MdN 2018年11月号』MdN編集部

 特集は「明朝体を味わう。」。付録小冊子として、「明朝体テイスティングリスト」という書体見本帳がついている。このリストは特集と連動していて、取り上げられている27書体すべての見本帳となっている。
 とても素敵な特集。築地体や秀英体に始まり、石井中明朝体や本明朝、A1明朝、リュウミン、筑紫明朝など、27書体の成り立ち、つくられた背景、その書体の持っている雰囲気などが、小宮山博史さん、藤田重信さん、小塚昌彦さん、祖父江慎さんといった錚錚たるメンバー(彼ら以外にもすごい人たちがいっぱい)への取材を元に解説されている。この特集を読むと、明朝体の歴史がわかるといってもいいくらい、詳しく、しかもわかりやすく書かれている。私は絶対フォント感は持っていないので、それぞれの書体をきちんとは見分けられない。でもすごくおもしろい。光調という書体だけ知らなかったけど、なんとあの田中一光さんのレタリングを元にした字だった。
 惜しいのは、それぞれの書体の解説ページのタイトルや本文文字、吹き出し文字が、その解説書体ではないことだ。この特集全体のテイストを揃えるためだとはいえ、もっとバリバリと露出してほしかった。精興社書体や石井中明朝体など、雑誌に印刷するのが難しそうなのは確かにあるのだけれど。あと、似顔絵がちょっと若づくりすぎやしないかとも思ったが、それも愛嬌だろう。
 それぞれの書体について思うところはたくさんあるのだけど、また機会があれば記事にしたい。文字好きにはたまらない一冊です。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。