『魅せられし心』ヒラリー・コール

 2009年。Hilary Kole, “Haunted Heart”。
 ヒラリー・コールは実は初めて聴いたんだけど、これがデビュー・アルバムだということで、こんなに最近の人だと知ってびっくりした。もっと昔の人だと思っていた。彼女はジャズシンガーで、このアルバムはヴォーカルの他にピアノ、ギター、ベース、ドラムスの構成となっている。最後にボーナストラックがあって、この『Windmills of Your Mind』だけはピアノ弾き語りだ。
 最初聴いたときは、歌は滅茶苦茶うまいけど、ふつうだなと思った。レストランとかでBGMとしてかかっていそうで、特徴があまりなくて食事を邪魔しなくていいかも、と思った。最初の曲を『It’s Love』にしたのは、掴みとしては最高の入りで大成功だとは思ったけれど。
 でもずっと聴いていると、これが実にいい。かみ続けるとだしが出てくるみたいな感じで、じわじわと味わい深さが心に染みてくる。なんだろう。聞き流すこともできるんだけど、ちゃんと聴くと、いつの間にかどんどん惚れ込んでいく自分がいる。ほとんどの曲が昔からのトラディショナルな曲なんだけど、それをまるで大御所が余裕を持って扱うかのように堂々と歌い上げている。時にスウィンギーに時にしっとりと。今まで聴いていなかったのは、食わず嫌いでもったいなかったなと、いたく感じた。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。