『嘘の心理学』村井潤一郎【編著】

 ナカニシヤ出版。クロスロード・パーソナリティ・シリーズ4。
 嘘の見破り方なども書いてあることは書いてあるけれど、いわゆるハウツー本とは一線を画した結構真面目な本。社会生活において嘘はどのような機能を持っているのか。嘘と行動の関係。司法(取り調べ等含む)の場での嘘。対人関係における嘘。パーソナリティとの関連。精神生理学的、あるいは精神分析的アプローチなど、多方面から嘘を扱っている。
 ただし、140ページほどの薄い本なのに10章もあり、これらを9人の専門家が分担して書いているせいで、あまり深いところまでは追えていない。それぞれの章の分量をせめて倍以上に増やして、もっと突っ込んだ話まで書いてもらえると、さらにおもしろい本になったと思う。この本を読んで一番印象に残ったのは、嘘を見破ることはとても難しいということだった。平均してせいぜい半分よりちょっと高い55パーセント程度。嘘はなるべくついて欲しくないけれど、嘘をつかれてこちらがそれに気づかなくても、ダメージを最小限に抑えるような生き方ができればいいなと思った。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。