『SPACES』Nils Frahm

 2013年。2012年から2013年までに行われたニルス・フラームによるコンサート演奏曲の中から、彼自身がベストであると選曲した11曲からなるライブアルバム。
 彼のアルバムはこれを含めて5枚持っているのだけれど、他のアルバムとはまったくイメージが違う。今まではどちらかというとアンビエントな感じの静かなピアノを弾く人という印象を持っていたのだけど、このアルバムはかなり激しい。激しいといってもそれはヘビメタやロックのような種類のものとは違って、ビートを刻んで疾走するというのではなく、躍動感を持ってこちらの体の内部に入り込んで心をえぐり取っていくかのような、そんな激しさがある。ピアノ、エロクトロニックピアノを単独で、あるいは重ねて、こちらに迫ってくる。後半は穏やかな曲も交えているとはいえ、ライブではこういうパフォーマンスをする人なんだ、と驚いた。アルバムに収録されている曲の半分程度は、当時の未発表曲である。ライブ用とスタジオレコーディング用の曲は敢えて分けているのかな、とちょっと思った。録音はポータブルレコーダーを使っていたりカセットテープを使っていたりと、中にはちゃんとしたのもあるのかもしれないのだけれど全体的には結構アバウトな感じでしている。そのバラバラな録音をこうして統一した雰囲気のアルバムに仕上げてくるあたりはさすがだと思う。
 聴者の不安感をちょっぴり高めて心を揺さぶってくる、そんなライブアルバム。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。