『絵本の冒険』小野明、五味太郎他

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 フィルムアート社。副題「「絵」と「ことば」で楽しむ」。
 対談、短い評論、エッセイ、コラムなどによって綴る絵本についての本。絵本とは何かについて語ったり、絵本にはどんな種類があるか解説してみたり、ときには一緒に絵本を読んでみたり。たくさんの切り口から、総勢20名近くに及ぶ絵本関係者の言葉から、「絵本」の輪郭があぶり出されてくる。絵本関係者って誰?ってことだけど、それは絵本専門の作家さんや編集者だけでなく、デザイナー、歌人、料理家、音楽家、研究者などジャンルは実にさまざま。でもみんな絵本と関わっている。こんなに参加者が多いとまとまらないんじゃないかと心配になりそうだけど、心配は無用。この本全体でひとつの作品、いわば交響曲みたいにがっちりと唯一無二の世界をつくっている。その根幹にあるテーマはもちろん「絵本」。表現方法や歴史みたいな堅い話から、収入やデビューのことのような俗っぽい話までいろいろなのに、ブレがない。私が一番おもしろかったのは五味太郎と荒井良二の対談だったりするわけだけれど、それ以外の、他の人が書いた文章、インタビューなども本当におもしろい。
 絵本を読む人はもちろんのこと、絵本をつくりたい人、つくっている人でも十分以上に楽しめる本であること請け合い。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。