2015年。
ジョー・ロビンソンは、私の記憶では2007年にソロギター・スタイルのアルバム『Birdseed』を15歳という若さでリリースしたのが、ほぼデビュー時期だったような気がする。その頃からものすごいギター・テクニックで圧倒するプレイを魅せていたのだが、本アルバムは、ほとんどの曲がヴォーカル入りとなっている。その点、予想していたのとは違ったのだけれど、それが全然残念なわけじゃなく、こんなに素晴らしい発展につながったのかと、すごく興奮してしまった。
ドラムス以外のギターとベースとヴォーカルは本人が演じている。ギターはアコギが少々、エレキが多く、オーバーダブなども行って重層的な音場をつくっている。全体としてロック的な印象が強いが、ポップス、フュージョン、ブルース、ファンクな要素も多分にあり、ギターを主役としたバックの上に、ジョーの高音ハスキーヴォイスがたたみかけるように重なり合って、グルービーで格好いい曲の数々を生み出している。
ギター・アレンジの秀逸さは言わずもがなだけれど、声もまた素晴らしい。決して今流行りのスタイルではないと思うが、もっと売れていてもいいのにと密かに思っている。