『ルビンのツボ』齋藤 亜矢

岩波書店。副題「芸術する心と体」。

ルビンの壺ってご存知だろうか。

ただの黒ベタの壺の絵なんだけど、ちょっと気分を変えて壺の左右の空間に意識を向けてみると、人の顔が向かい合っているように見えるという、あれです(ピンとこない人、ごめんなさい)。

どんなものにもいろんな側面があって、視点によって見え方も違う。アートっていうのも一面的な側面からだけじゃなく、違う方向から見てみると、意外と本質が見えてくるんじゃないか。そんな思いでアートについて語ったエッセイを綴ったのがこの本だ。

著者の経歴がおもしろい。大学は理学部なのに、修士課程は医学研究科、博士課程は芸大の美術、そのあと野生動物研究センターで働いて、今は芸大の文明哲学研究所の先生。専門は芸術認知科学というわかるようなわからないような…

でもそんな異色の経歴があるからこそ、アートをこんな風に解体することができるんだな、と思った。文章はとてもわかりやすくて、全然難しくなく、ときにサイエンスや自分の体験をを交えたりして、アートってこういうことをいうんじゃないかな、という著者の考えをさらっと書いてくれている。

写実絵画だけじゃなくて、抽象画だって古代の洞窟の壁画だって、チンパンジーの絵だってアートだよね。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。針槐の会というグループに入っています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。

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