Rittor Music。
副題「ビギナーが中級者になるまで使える操作ガイド+楽曲制作テクニック」。
ヤマハSteinberg社のDAWソフトであるCubase Pro 9の初心者向け解説書。
今のバージョンは10.5なのでちょっと古いのですが、ネットから9.5の改定にあわせたPDF追補版がダウンロードできる。
3分の2くらいが基礎編で、多少音楽理論の話も加えながらも、ひたすらCubaseの機能を解説している。そして後半の3分の1くらいが実践編で、違うジャンルの4つの楽曲を実際に作っている過程を解説している。この4曲のCubase用プロジェクトファイルはリットーミュージックからダウンロードできるので、中身がどんな風になっているのか、細かくチェックできる。VOCALOID曲もあるので、そっちの方に興味のある人にもいいかもしれない。
ただ、初心者がいきなりこの基礎編を読み始めるのもちょっときついよなあと思った。一見わかりやすそうに丁寧に書いてあるのだけれど、ほとんど説明なしに出てくるカタカナ単語は、わけがわからない人も多いだろうなと思う。
うーん、でもこのくらいの内容は理解できないとCubaseは使えないだろうし、そういった意味ではコンピュータで音楽をつくりたい人は一度は通らなければならない道のような気もする。
私は一応言葉や説明はなんとなくわかるんだけど、Cubaseの機能があまりに多すぎて、1度目を通しただけでは絶対に使いこなせないこともまた、よくわかった。音楽製作の道のりって決して平坦ではないなと思う。世の中のボカロPの方たちはすごすぎる(プロはできて当たり前な気がするのでここでは置いといて)。
あと、私は今まで曲を作る時は楽譜から作っていたのだけれど、この本では楽譜なしに曲を作っていて、ああ、作曲って楽譜がはじめにあるんじゃなくて、音がはじめにあるんだ、という当たり前のことが目から鱗が落ちるような感じで腑に落ちた。
この本は一度読んだだけではダメだけど、実際に曲を作りながら辞書みたいにして使っていくと、どんどん理解が深まっていくんだと思う。長い道のりだけれど、そんな風にして中級者まで行って、そのあとようやく自由に思いどおりに曲が作れるようになるんだろうなあ。
ボロボロになるまで読みこなすぞ~(と今だけ気合いを入れてみる)
がんばろうっと。