『入稿データのつくりかた』井上のきあ

エムディエヌコーポレーション。「CMYK4色印刷・特色2色印刷・名刺・ハガキ・同人誌・グッズ類」

パソコンで本やチラシ、グッズなどの原稿やデータをつくったら、印刷・製本業者に依頼しなきゃならないわけだけど、そのときに必要になるのが入稿データ。

本書だけ読めば、たいていのデータづくりには困らない気がする。データをつくるソフトとしては、Illustrator、Photoshop、InDesignが主なものだけれど、Clip StudioとかSAIについての記述もあり、現代のニーズに合っていると思った。入稿形式としては、Illustrator形式、Photoshop形式、InDesign形式のほか、EPS入稿、PDF入稿、RGB入稿を取り扱っている。

最終的には印刷所によって入稿データのつくり方は変わってくるらしいのだけれど、印刷所が求めている基準書を読んでもそのやり方がわからないと途方に暮れる。そこのところを助けてくれるのが本書である。各ソフトの操作方法など、図版も多く掲載されていて、わかりやすい。

ただ、わかりやすいといっても、各ソフトを使ったことのない人にはちんぷんかんぷんなところもたくさんあると思う。それは各ソフトの使い方がややこしくてわかりづらいということであって、そのわかりづらさの制約の中で、著者は結構がんばってわかりやすくしようとしてくれている。

適当にデータをつくって印刷を発注したものの、できあがってきた印刷物を手にして、いや、こんなはずじゃなかったんだけどとか、色がイメージと違うんだけどとかの経験をした人は少なくない気がする。私もそういう経験があるし。

そんなことがないように、入稿データを印刷会社に渡す前に、この本でチェックするというのは有効な方法だろう。入稿直前にチェックを行うのではなく、できればデータを作り始めるときから計画的に、ソフトの設定や操作をきちんとしていくのが大切なんだと思う。

DTP印刷の発注側の知識ということであれば、本書と『DTP印刷デザインの基本』柳田寛之(ブログ記事)の2冊があれば、たいていのことは十分カバーできそう。どちらも常に手許に置いておきたい参考書。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。

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