『影響力の武器[第三版]』ロバート・B・チャルディーニ

誠信書房。社会行動研究会 訳。「なぜ、人は動かされるのか」
[第三版]となっているけれど、英語版の[第五版]を翻訳したもの。

タイトルを見てちょっと勘違いしていた。てっきり、他人に対してどういう影響力を及ぼすか、つまり影響力の武器を自分が持つためにはどうすればいいか、という本だと思っていた。

でもそういう本ではないです(そういう風にも使えるけれど)。

他人が自分に対してどんな影響力の武器を使って、こちらを誘導しているか。そのからくりを知ることで、どうしたらだまされないで済むのか、という、言ってみれば消費者保護の立場から書いた本です。

人から頼まれごとをされて断り切れなかったことがあるかもしれない。

最初はたいしてほしいと思っていなかった商品を、気づいたら購入していたことがあるかもしれない。

合理的に考えたら絶対にしないようなことを、上司に命令されて、なんてことなしにしてしまったことがあるかもしれない。

そういうことがあったあとでも、もしかすると自分の意志でやったことだと思ってしまっているのかもしれない。

でもそれって、いいように操られてるんだよ。タイトルに従えば、「影響力の武器」の餌食になってるんだよ。と、そういうことをこの本は教えてくれる。

そして、その餌食にならないようにするためには、これこれこういうことに気をつけるべきなんだよ、という対策もまた教授してくれている。

この本に書かれていることは、まあ人間の本能に近いところ、言い換えると、人間だったら普通はこうやって行動してしまうのが自然だよなあ、ということで、こういう人間の心理学的側面があるからこそ今まで社会が回ってきたんだといえるのかもしれない。

でもそういう自然な心理を利用して、だましてくる人がたくさんいるのも事実。

その手口、あるいはもっと遡って、そうやって考えてしまう人間心理を、多数の例題をもとに、誰にでもわかるように丁寧に教えてくれているのが、本書というわけだ。

400ページ以上あって見た目も結構ごっつい感じがするから手にしづらいかもしれないけど、読んでみると意外に読みやすいし、なるほど感も得られる。

人間心理に興味のある人、マーケットに興味のある人、政治に興味のある人、ふつうの消費者等々、いろんな人にお薦めします。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。

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