翔泳社
数式レベルから丁寧に機械学習の仕組みを教えてくれます。式の展開もほとんど飛躍がないので、丁寧に追っていけば十分理解できるレベル。ただし、高校数学くらいはしっかりとやった人じゃないときついかも。微分、行列、統計は必須。
そして丁寧に数式を起こしていったあとは、Pythonに落とし込んでいく。
本書ではAnacondaでPythonをインストールして、Jupyter Notebookという実行環境で説明しています。
ただし他のやり方でやっても適切に設定すればこの本のとおりに実行できます。実際私は途中まではJupyter Notebookを使っていましたが、途中からは使い慣れているVisual Studio Codeに乗り換えました。カーネルをきちんと設定しさえすれば、本書のコードは動かせます。
この本は機械学習の教科書をうたっていますが、教師あり学習を主に扱っていて、教師なし学習はほんのさわり、そして教科学習については触れていないので注意。
初心者向けの本とはいえ、機械学習を始めて学ぶ人にとっては結構難しいです。ひとつひとつ時間をかけて理解するようにしていけば完読できると思いますが、数学と基礎的なプログラミングの経験がないと頭がパンクするかもしれません。
ツールをただ使えればいい人はコピペだけで済ませられるのかもしれないですが、ちゃんと機械学習の数学的背景も知りたいという人には、この本はいい入門書になると思います。この本よりも簡単に説明するのは無理かも。
で、たいていの人はこれを実装して何かさせたいんだと思いますが、そこのところはちょっと弱いです。基礎的なところはこの本で十分な知識を得られると思いますが、実装するとなると他の本も読んでみた方がいいと思います。
あくまで機械学習の基礎学力をつけるための教科書だと割り切った方がいいです。